毛の色について
◆お預かりする毛の色についての詳しいご説明◆
 過去ご注文いただいた方々のほとんど全ての方が共通しておっしゃることは、「うちの子は○色です」。・・・・・本当にそうでしょうか?
 そしてほとんどの方が「1色です」。・・・・・・・・・・・・・・・・本当に本当ですか?
 結果的に写真を見せて戴くと、やはりほとんどのペットちゃん達はもっと多くの色数を持っています。

 一度こんな方がおられました。
 その方は3体一度にご注文くださいました。1体は亡くなったばかりのお友達のブラック&タンのチワワちゃん。2体はご自分の茶系ダックスちゃんとブラタンダックスちゃんです。

 まずお友達のブラタンチワワちゃんについて詳しい色の入り方や写真のご提出を求めたところ、「写真はありません。色の入り方は『一般的なブラタンチワワ』の色で」とお返事を戴きました。
  「それでは大変お手数ですが、『一般的なブラタンチワワ』の写真を戴きたいと思います。」とお返事いたしましたところ、「探しましたけど結構難しいですね。こちらはキャンセルします」とお返事戴きました。
  次にその方ご自身のダックスちゃん達について色を注文書で確認したところ茶系1色とブラック&タン2色ということでした。
 しかしながら実際にお写真を見せていただいたら茶系ちゃんはレッド・シェイデッドブラウン・クリームの3色で、ブラタンちゃんは黒・タン・白の3色でした。

 もちろんそれで再計算しますと料金は大幅に変わってきます。それをお伝えした上で、「もしご予算的に厳しいようであれば1頭ずつでもよろしいですし、また今回はキャンセルされてもかまいません」とお返事したところ、「甘く考えていました。もう少しよく考えてから改めてお願いします」と全てのご注文をキャンセルなさいました。

 
 ご注文下さった方には大変申し訳ないのですが正直、ほっといたしました。
 3色のわんちゃんを1色でお作りしても決して『うちの子』にはならないからです。

 『ただのぬいぐるみ』です。

◆うちの子製作所◆では『ただのぬいぐるみ』はお作りしていません。


 左の3枚の写真、驚かれるかもしれませんが全て同じ毛のかたまりです。(撮影協力:らいおんくん、撮影者:製作職人)撮影する場所、光量によってこれほど色が変化します。

 実は◆うちの子製作所◆が『あなたのペットちゃんの毛を混ぜてお作りします』とうたっている理由のひとつがここに存在します。本物の毛をお預かりしないと、本物の色が出せないからです。

 『写真が表現する色』 というのがいかにいい加減かをこの左の写真が全て物語っていると言って過言ではありません。もちろん「どうしても毛は用意できない」という方には布切れや毛糸などで同じ色のものを見つけていただき、カラーサンプルとしてお送りいただいています。それすらもないという方にはあらかじめ「仮に完成品の色が違っていてもご了承下さい」とお伝えした上で、お送りいただいた写真の中で一番近い色で写っているものをもとに作らせて戴いています。

 実はこのサンプル撮影にご協力いただいたらいおんくんのママさんからはこのような状態で毛をお預かりしました。


 本来なら毛が混ざった状態では承ることは致しかねます。が、今回はこのご説明ページ上でサンプルとして使用させていただくということでお預かりしました。

 通常であれば右写真の左側にあるように色分けをした形でお預かりします。今回は混ざってしまった毛に対し本来の色に近づける為、左側のサンプルを見ながら右側のかたまりを少しずつ分けてそれらに全く違う色の羊毛を混ぜて本来に近い色を作り上げていきます。

 毛色のサンプルとしてお預かりしたのは写真左のブラウン、クリーム、ダークブラウンの3種類。しかしながら実際の写真を拝見するとかなりグラデーションがかかっています。そこでこの3色をもとにベースの色5色を作り、さらにそれらに薄い色や濃い色を混ぜてグラデーションをかけていくことになりました。

 この写真がベースでお作りした5色です。(これは試しに作った色ですから量は少ないです)これら5色全てにらいおんくんの毛(写真上方)を混ぜてあります。この作業だけで通常きちんと色分けされた毛を羊毛と混ぜるだけの作業の数倍かかります。ですから混ざってしまった毛はお預かりしない、というわけですね。

 作業をしながらグラデーションをかけていきましたので最終的に何色使った、とは申し上げられませんが、たぶん思いつくだけで20色は超えていることと思います。
  「そんなに?!」と思われるかもしれませんが、3色以上の子にはよくあることです。ですから戴く料金は『3色以上は同一価格』となっています。

 それだけでなく、1色や2色の子でも、実際にはほんの少しグラデーションをかけたりしています。ご注文書の色数と全く同じ色数だけでお作りできたことはほとんどありません。もちろんどなたがご覧になっても明白な色の差異は指摘させていただいた上で追加料金を戴きますが、微妙なグラデーションによる色の追加料金は戴いておりません。

 製作職人の本業は画像処理。静止画と動画の修正や編集を主たる生業としています。与えられた素材を一番いい形で仕上げる上で欠かせないのが色の微妙な修正作業で、『茶色』と一口に呼ばれる色に対し、時として全く縁のなさそうな色-青を混ぜたり緑を混ぜたりして本来の色を出すということを日々行っています。この経験から、『本物の色』を再現する上での思い入れも判断力も人一倍あり、それをFELTPETの製作にも生かしています。

 この機会にぜひみなさんも、もう一度ご自分のペットちゃんをよく見つめなおしてみてください。 白1色だと思っていた子が実は2色、3色だったりします。事実、うちのダックスはゴールドですが、実際にはレッドとアイボリーが何箇所にも点在しています。またヨーキーはしょっちゅう色が変化しています。(ヨーキーは一生の間に七色に毛色が変化する、と言われています)
 ペットちゃんの本来の色をよく知ることで、あらためて違った魅力を見つけてあげるきっかけとなれば、とてもうれしいことですね。

 
 

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